自閉症児の世話と仕事、母親はどう休んでいる? ネパールの9人が語る生活と対処

子どもの世話で十分に眠れず、仕事や人間関係にも影響が出る。ネパールの母親9人への聞き取りでは、こうした暮らしの負担と、その中で休息を取る方法が語られました。家族などに世話を交代してもらうことも、対処の一つとして挙がっています。
二つの支援施設につながる母親9人の経験
対象は、Autism Care Chitwan SocietyまたはAsha Bal Bikas Kendraを利用する、ASDと診断された子どもの母親です。研究者は経験を詳しく聞く目的で9人を選び、自宅で45〜60分の面接を行いました。説明の意味を確かめるため、一人につき二〜三回の収集の機会を設けています。
この調査に参加したのは、子どもが支援施設を利用している9人の母親です。支援につながった後の暮らしの中にも、仕事や身体、気持ちに関わる影響があることを語っています。
表2では、子ども9人全員が調査時にケアセンターを利用していました。診断時の年齢は3歳が3人、4歳が4人、5歳と12歳が各1人です。今使っている支援と、以前いつ診断されたかを、別々の情報として記録しています。

出典:©2021 Sabitri Acharya and Kalpana Sharma / Autism Research and Treatment。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 2 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
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図表の出典と表示範囲
Lived Experiences of Mothers Raising Children with Autism in Chitwan District, Nepal
Sabitri Acharya and Kalpana Sharma
Published version deposited in PMC; PMC8590587.1 / PDF 5頁
Table 2
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)
睡眠、気持ち、人との関わり、仕事に影響
研究チームは、母親の語りを五つの大きなテーマにまとめました。その一つが「日常生活への影響」です。ここでは、世話に伴う身体的な疲れ、気持ちの揺れ、人との関わり、経済的な負担を分けています。
子どもが起きる前に家事を進め、夜によく眠れず、日中がつらくなるという経験がありました。周囲から非難されたり孤立したりした経験、仕事の機会を失ったことも語られています。世話に必要な時間と、周りの環境が暮らしに重なっています。
世話を交代して休むことが、対処の一つに
もう一つのテーマは「対処の方法」です。家族などに子どもの世話を任せて休むこと、直面する問題に取り組むこと、信仰、前向きに受け止めることが挙がりました。研究者は、生活の負担と、それへの対処を別のテーマとして整理しています。
家族に世話を頼んで休む、問題に取り組む、信仰に支えを得る、前向きに捉える。母親たちは異なる対処を語りました。どの方法が有効かを比べた試験ではなく、支援施設を利用する9人が、日々どのように過ごしてきたかを詳しく聞いた結果です。
表3の続きでは、大項目「生活への影響」の下に身体・感情・社会・経済の区分があり、別の大項目として「対処の方法」が置かれています。仕事の機会の喪失は経済面の影響、レスパイトケアは対処に分類されました。母親の経験を、影響と向き合い方へ分けたテーマの構造です。

出典:©2021 Sabitri Acharya and Kalpana Sharma / Autism Research and Treatment。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 3 Continued(前半省略) / CC BY 4.0
原PDF physical p5のTable3 Continued掲載部分全体を連続範囲で画像化。前半は省略と明記し、画像へ別captionを合成せず、数値/文字/配列を変えない。
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図表の出典と表示範囲
Lived Experiences of Mothers Raising Children with Autism in Chitwan District, Nepal
Sabitri Acharya and Kalpana Sharma
Published version deposited in PMC; PMC8590587.1 / PDF 5頁
Table 3 Continued(前半省略)
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)
仕事や人との接点を保つことと、世話を交代して休むこと。母親たちが語った対処からは、子どもへの働きかけに加え、親自身が過ごせる時間をどう確保していたかが見えてきます。
この記事のまとめ
- 母親9人に、世話と暮らしの経験を自宅で聞いた
チトワン地区の二つの支援施設につながる母親を対象に、生活への影響と対処を整理しました。人数の多寡より、経験の内容を詳しく聞いた研究です。
- 休息や仕事、人との関わりまで支援の論点に含めた
子どもの支援だけでなく、母親の仕事、睡眠、人間関係、休む方法を聞きました。世話の交代や周囲の支えが、日々の経験として語られています。
- 日本の指針も、家族の暮らしと心理面の支えを位置付ける
児童発達支援ガイドラインは、家族全体への支援や相談援助、家族同士の交流などを扱っています。ネパールの9人の経験から、日本の家庭の負担の割合や制度利用の状況までは判断できません。
日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月) - 世話の方法と、家族が休める暮らしを一緒に見る
子どもに何を教えるかに加え、誰が世話を交代できるか、仕事や人との接点をどう保つかを見る視点が参考になります。
日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)
日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。
出典
Lived Experiences of Mothers Raising Children with Autism in Chitwan District, Nepal(NLM公開の原著PDF)
原典日:2021-11-06 / 取得:2026-11-04
画像について
冒頭のイラストは、家族の生活と休息を考えるための概念画です。調査した住宅、母親や子どもの実際の暮らしを再現したものではありません。



