自閉症児を支える祖父母の負担は? ネパールの養育者120人のうち35人が祖父母

子どもの日々の世話を担うのは、親だけではありません。ネパールの支援施設で養育者120人に聞いた調査では、35人が祖父母でした。母親や父親だけに限らず、世話に関わる家族が、どれくらい負担を感じているかを調べています。
母親65人、祖父母35人、父親13人が回答
研究は、Centre For Autismという民間施設で、2022年1〜7月に行われました。研究チームは135人の子どもの家族を対象にし、回答未完了などの除外後、養育者120人の回答を分析しました。子どもの年齢は、参加条件では18か月を超えるとされています。
回答したのは、母親65人、祖父母35人、父親13人、その他の親族7人です。カトマンズの一つの施設につながる家族で、祖父母は約3割を占めました。
表3の家族構成からは、祖父母が日々の世話を担っていることが分かります。親だけを調査対象にすると、この施設を利用する子どもを支える、ほかの家族の経験が抜け落ちてしまいます。

出典:©2023 Manju Shrestha et al. / Annals of Medicine and Surgery / Wolters Kluwer。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 3 Type of caregivers欄(後続省略) / CC BY 4.0
原表3の表題・列見出しと養育者の関係の欄のみを連続範囲で画像化。後続の年齢/学歴/職業等は省略し、図注に明示。元の文字・数値・配列を変更せず、継ぎ合わせや描き直しなし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)

図表の出典と表示範囲
Perceived caregiver’s burden among children with autism spectrum disorder in central Nepal: a cross-sectional study
Manju Shrestha et al.
Published version deposited in PMC; PMC10205302.1 / PDF 3頁
Table 3 Type of caregivers欄(後続省略)
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)
負担の程度を22項目の質問票で調べる
負担の評価には、22項目のZarit Burden Interviewを使いました。研究チームは、質問中の対象を子どもに合わせて変更し、養育者自身が感じる負担を尋ねています。得点は、負担の程度を四つの範囲に分けて整理しました。
養育者の回答を尺度の区分に当てはめると、負担なし・ほぼなしが11人、軽度〜中等度が45人、中等度〜重度が57人、重度が7人でした。最も多かったのは中等度〜重度です。家族が感じる負担を、強さの異なる四つの区分で捉えています。
表5では、41〜60点の範囲に57人、21〜40点の範囲に45人が入っています。最も重い61〜88点の範囲は7人でした。合計だけにまとめず四区分を並べることで、養育者が答えた負担の強さに幅があることが分かります。

出典:©2023 Manju Shrestha et al. / Annals of Medicine and Surgery / Wolters Kluwer。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 5 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)

図表の出典と表示範囲
Perceived caregiver’s burden among children with autism spectrum disorder in central Nepal: a cross-sectional study
Manju Shrestha et al.
Published version deposited in PMC; PMC10205302.1 / PDF 3頁
Table 5
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)
子どもの支援と、世話を担う家族の暮らしを一緒に見る
研究では、子どものASDの程度として分類した項目と、養育者の負担に有意な関連がありました。ただし、一時点の調査なので、その関連が生じた順序や原因までは分かりません。
今回分かったのは、この施設に関わる養育者が、調査時に感じていた負担です。他の集団や、家族向けの支援を導入した後とは比べていません。母親に加えて、祖父母など世話を担う家族にも目を向けた調査です。
この記事のまとめ
- ASD児を支える家族120人が感じる負担を調べた
カトマンズの支援施設で、母親や父親だけでなく祖父母などの回答も集め、負担を質問票で記録しました。
- 養育を担う人の広がりと、負担の強さの違いを示した
祖父母も日々の世話を担っていました。負担の区分は中等度〜重度の57人が最多で、最も重い範囲は7人。世話に関わる家族を広く捉える調査です。
- 日本の指針も、祖父母やきょうだいを含む家族全体を支える
児童発達支援ガイドラインは、母親中心に偏らず家族全体を見る必要を説明しています。ネパール一施設の尺度の分布は、日本の負担の割合とは比較できません。
日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月) - 誰が日々の世話をしているかから、相談の相手を考える
親に加えて祖父母などの経験にも目を向ける視点が参考になります。
日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)
日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。
出典
Perceived caregiver’s burden among children with autism spectrum disorder in central Nepal: a cross-sectional study(NLM公開の原著PDF)
原典日:2023-04-11 / 取得:2026-11-04
画像について
冒頭のイラストは、養育者の暮らしと休息を考えるための概念画です。実在の家族の住居や研究施設を再現したものではありません。



