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R0263 / ブラジル

自閉症の心配から診断まで、何があった? ブラジルの八研究が伝える相談と紹介の経路

家庭や診療所を結ぶ道筋、複数のファイルと虫眼鏡を描いたイラスト。

子どもの発達が気になっても、すぐに診断へつながるとは限りません。ブラジルの八研究を集めたレビューでは、心配を受け止めてもらえなかった経験や、繰り返す受診、専門職までの移動などが記録されていました。診断された年齢と、最初の心配から待った期間を分けて紹介しています。

行政記録と、少人数の聞き取りを並べて読む

レビューに含まれたのは、横断的な量的研究四件、質的研究三件、専門職研修の試行一件です。全国を扱う大きなデータもあれば、9〜21人の養育者の聞き取りもありました。多くは南東部で実施され、二つの大きなデータはブラジルの五地域を含みます。

研究ごとに対象や調べ方が違うため、診断年齢を一つの平均へ合算してはいません。何を、どの地域で、どんな人について調べてきたかを広く整理する「スコーピングレビュー」という方法です。

表1では、行政データの研究は2万3657人の記録から2万2483人を解析し、多国調査では2520人のうちブラジル部分は1000人と示されています。一方、質的研究は親や親族への少人数の聞き取りです。対象と方法の異なる研究を並べ、それぞれがどの経路を調べたかを示しています。

表1。大きな行政記録、親への聞き取り、専門職研修の試行などが並びます。募集した人数と解析した人数、ブラジル部分の人数が異なる資料も含まれています。
表1。大きな行政記録、親への聞き取り、専門職研修の試行などが並びます。募集した人数と解析した人数、ブラジル部分の人数が異なる資料も含まれています。
出典:©2026 Bianca Teeny Sallum et al. / Children / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 1 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
表1。大きな行政記録、親への聞き取り、専門職研修の試行などが並びます。募集した人数と解析した人数、ブラジル部分の人数が異なる資料も含まれています。
図表の出典と表示範囲

Delayed Diagnosis and Missed Opportunities for Early Autism Identification in Brazil: An Exploratory Scoping Review
Bianca Teeny Sallum et al.
Published version deposited in PMC; PMC13510629.1 / PDF 5頁
Table 1
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

診断時の年齢と、心配してから待った期間は違う数字

子ども・青年向けの心理社会的ケアセンター「CAPSi」の全国データでは、診断年齢の平均は66か月、約5歳半でした。多国調査のブラジル部分では、平均診断年齢は47.3か月で、家族の最初の心配から診断まで平均27か月と報告されています。

専門医療の集団では、診断年齢が平均79.2か月という研究もありました。これらは別々の集団の結果です。同じ子どもの診断が遅くなった経過を示すのではなく、調査の場所や経路によって違う年齢が記録されています。

表2は、診断時の年齢、心配してからの期間、診療の場、地域、相談の経路を別々の列にしています。たとえば全国の心理社会的ケアセンターの記録は平均66.0か月、多国調査のブラジル部分は47.3か月で、後者の心配から診断までは27.0か月です。NRは報告されていない欄であり、待たずに診断されたという意味ではありません。

表2。診断時の平均年齢66.0か月、47.3か月などを、気づきからの期間や診療の場と分けて並べています。NRは記録なしで、期間0か月という意味ではありません。
表2。診断時の平均年齢66.0か月、47.3か月などを、気づきからの期間や診療の場と分けて並べています。NRは記録なしで、期間0か月という意味ではありません。
出典:©2026 Bianca Teeny Sallum et al. / Children / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 2 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
表2。診断時の平均年齢66.0か月、47.3か月などを、気づきからの期間や診療の場と分けて並べています。NRは記録なしで、期間0か月という意味ではありません。
図表の出典と表示範囲

Delayed Diagnosis and Missed Opportunities for Early Autism Identification in Brazil: An Exploratory Scoping Review
Bianca Teeny Sallum et al.
Published version deposited in PMC; PMC13510629.1 / PDF 6頁
Table 2
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

相談での応答、移動、紹介のつながりが記録されていた

収録研究には、家族の心配を受け止めてもらえなかった経験、繰り返し受診した経験、専門職へ相談するための移動、紹介経路の分断などがありました。診断は専門職中心で、一次医療の関与が小さいという傾向も整理されています。

一次医療職の研修を試した研究は一件あり、知識や紹介の変化を報告していました。ただし、対照群と長期追跡がなく、研修による変化かどうかや、その変化が続くかまでは確定できません。

収めた研究は八件で、方法や対象に違いがあり、地域にも偏りがあります。その範囲で見えてくるのは、家族が気付くまでだけでなく、相談を受けた人の応答、専門職までの距離、紹介のつながりが記録されていたことです。

この記事のまとめ

  • ブラジルの八研究から、ASDの気づきと診断の経路を整理

    行政記録、家族への聞き取り、専門職研修などを分け、診断した年齢と心配してからの期間を別に記録しました。

  • 家族の気づきだけでなく、受診や紹介のつながりを見渡す

    診断時の年齢に加え、心配から待った期間、相談先の応答、移動や紹介の経路を整理しています。家族の気付きだけに限らない診断までの過程が見えます。

  • 日本の受診案内も、事前情報から評価・説明までの流れを示す

    発達障害ナビポータルは、家族や支援機関の情報を準備し、問診・観察・必要な検査を合わせる過程を説明しています。ブラジルの調査値から国内の待機期間の長短は判断できません。

    日本の参考資料:発達障害ナビポータル:医療受診の意義と診断までの流れ
  • 診断の年齢と、相談が始まってからの経過を分けて見る

    家族が気付いた時期、最初の相談、紹介先への接続を分けて記録する視点が参考になります。窓口を知ることから実際の受診まで、どこで時間がかかり、何がつながりを支えたかをたどる報告です。

    日本の参考資料:発達障害ナビポータル:医療受診の意義と診断までの流れ

日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。

出典

Delayed Diagnosis and Missed Opportunities for Early Autism Identification in Brazil: An Exploratory Scoping Review(NLM公開の原著PDF)
原典日:2026-08-15 / 取得:2026-11-04

画像について

冒頭のイラストは、気づきから相談・診断までの道筋を調べる記事のイメージです。ブラジルの実際の紹介経路や地図を再現したものではありません。