絵を選んで「これが欲しい」を音声にする「Cboard」、家庭で使うための研修も実施

飲み物の絵を選び、「欲しい」と組み合わせると、端末が代わりに読み上げる。Cboardは、話し言葉で意思を伝えることが難しい人のためのアプリです。欧州の試行では、子どもが家庭で使えるように、親と支援者が使い方を学ぶ機会も設けました。
絵記号を選び、「欲しいもの」を組み合わせる
AACは、話し言葉を補ったり、別の方法で意思を伝えたりするための手段です。Cboardでは、絵記号と文字、音声読み上げを組み合わせます。
UNICEFが掲載した画面には、水、オレンジジュース、牛乳などの絵が並びます。上の欄では「I want」と「orange juice」を組み合わせています。飲み物の名前を選ぶだけでなく、「それが欲しい」という意思を文にする仕組みです。

引用元画面:UNICEF Innovation(2026-11-04取得)/UNICEF掲載、画像クレジット:Cboard。/原典の画像クレジット:© Cboard本文の説明・検討のために引用。原典:Giving every child a voice with AAC technology原ページの該当する画面を撮影しWebPへ変換。内容の書換え・翻訳・継ぎ合わせはしていません。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)

子ども125人の利用を、親と専門職の学習で支える
UNICEFは2020年7月23日、クロアチア、モンテネグロ、セルビアでの試行を紹介しました。2019年11月から、複雑な意思疎通のニーズがある3〜12歳の子ども125人が参加し、70人を超える専門職が研修を受けていると報告しています(参加者はASD児だけに限定されていません)。
では、その画面を普段の暮らしにどう取り入れたのでしょうか。専門職は対面とオンラインで学び、親も使い方を覚えました。家庭の身近な物や家族の写真を入れる例も紹介されています。用意された絵記号を選ぶだけでなく、その子が家で伝えたい内容に画面を近づけています。
親や専門職からは、子どもの肯定的な反応と、新しい技術やAACの使い方に慣れる負担の両方が伝えられました。UNICEFの記事は、試行中に使った人の経験を紹介しています(対照群と比べた支援効果の検証は扱っていません)。
現在は無料プランとProを提供
2026年11月4日に確認したCboard公式の料金案内は、無料プラン、月8米ドルのPro、年79米ドルのProという三つの選択肢を示しています。2020年の無料試行の案内と、現在の製品の料金は別の時点の情報です。
料金表では、オンラインの音声、ボードの共有、OBF形式への書き出し、絵記号への録音などがProの機能として並びます。左の無料プランでは、これらの機能に赤い印が付いています。アプリ自体を無料で使えないという意味ではなく、表に載った機能を無料プランに含めないという案内です。

引用元画面:Cboard公式(2026-11-04取得)/Cboard公式(Assistive Communication LLC)。/原サイトの著作権表示:© Assistive Communication LLC 2024本文の説明・検討のために引用。原典:Cboard Pricing原ページの該当する画面を撮影しWebPへ変換。内容の書換え・翻訳・継ぎ合わせはしていません。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)

Cboardの試行で渡されたのは、アプリだけではありませんでした。親と専門職が使い方を学び、家庭の写真を入れ、子どもとやり取りするところまでを支えています。現在の料金表と合わせて読むと、機能を選ぶことと、日常で使い始める準備の違いが見えてきます。
この記事のまとめ
- 意思表示を、絵記号と音声で支えるアプリを試した
欧州三か国で3〜12歳の子ども125人が参加。専門職と親が使い方を学び、家庭や就学前の生活にCboardを取り入れる試行が紹介されました。
- 端末を配ることと、やりとりに使うための学習を結び付けた
家庭の写真を使い、親と専門職が学ぶ機会を設けました。アプリを配ることに加え、普段のやり取りに取り入れる過程を扱っています。
- 日本の手引も、筆談やICTなどの代替手段を扱う
文部科学省の言語障害の教育支援の手引は、話すことを文字入力などに代替する配慮を示します。Cboardを国内の標準として指定した資料ではなく、海外試行の人数を国内の効果へ当てはめることはできません。
日本の参考資料:文部科学省:教育支援の手引・言語障害 - 料金だけでなく、誰と何を伝える場面かを一緒に考える
日本の家庭と支援先で使う道具を比べるときにも、料金と機能に加え、誰が絵や写真を準備し、使い方を共有するかを考えられます。子どもが普段伝えたいことまで画面に入ると、導入後の姿が具体的になります。
日本の参考資料:文部科学省:教育支援の手引・言語障害
日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。
出典
Giving every child a voice with AAC technology
原典日:2020-07-23 / 取得:2026-11-04
Cboard Pricing
原典日:公表日未確認 / 取得:2026-11-04
Cboard公式:Communication for Everyone
原典日:公表日未確認 / 取得:2026-11-04
画像について
冒頭のイラストは、絵記号による意思表示と使い方の学習を表すイメージです。Cboardの画面、実際の研修教材、参加した子どもを再現したものではありません。



