言葉で伝えにくい子どもの「いやだ」を、絵と音声で伝える――インドのJellow

「食べたい」と伝えることと、「要らない」と断ること。インドのJellowは、物や活動を表す絵と、希望や気持ちのボタンを組み合わせ、音声で意思を伝えるAAC(拡大・代替コミュニケーション)のアプリです。
絵に、希望や気持ちを添える
インド工科大学ボンベイ校(IIT Bombay)の開発紹介は、自閉スペクトラム症(ASD)などがあり、話し言葉で意思を伝えることが難しい子どもに向けたJellow Communicatorを紹介しています。大学のページで説明しているのは、スマートフォンとタブレットで使うAndroid版の設計です。
画面の中央には、食事、遊び、人、場所など九つの分類があります。その左右に、「好き」「好きではない」「欲しい」「要らない」「もっと」「少なく」の六つの表現ボタンを配置しています。物の名前と、その物に対する気持ちを組み合わせる設計です。

引用元画面:IIT Bombay R&D(2026-10-11取得)/出所:IIT Bombay R&D。開発紹介の研究者欄:Prof. B A R Poovaiah。サイト表示 © 2026 IITBombay。/原サイトの著作権表示:All rights reserved本文の説明・検討のために引用。転載許諾の取得を意味しません。原典:Jellow communicator: A communication aid for children with speech difficulties | IITBombay実ページの原題とタブレット全体を撮影しWebPへ変換。図中文字の変更・再構成なし。研究者欄の名前を画像の全権利者と同定していません。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)

「食べる」と「欲しい」で、読み上げる文をつくる
大学の紹介には、中央の「食べる」を選び、続けて「欲しい」を押すと、「食べたい」と読み上げる例があります。絵が話題を示し、表現ボタンがその話題への希望や気持ちを示します。
「好きではない」「要らない」は、「好き」「欲しい」と同じ画面に並んでいます。例えば食べ物の絵を選んだ後で、「欲しい」と「要らない」を選び分けられます。物の名前を伝えるだけでなく、その物をどうしたいかまで伝える設計です。
紙のカードから、端末やスイッチまで
Jellow Basicの公式サイトは、紙のカード、冊子、Androidアプリ、iOSアプリ、デスクトップ版、外部スイッチへの対応を紹介しています。図の左側には端末を使わないカードと冊子、中央にはアプリやパソコン、右端には押しボタン型の外部スイッチが並びます。

引用元画面:Jellow公式(2026-10-11取得)/出所:Jellow公式「Jellow Basic Ecosystem」(公表日未記載)。/原典の条件:CC BY-NC-SA 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Jellow Basic Free AAC Communicator - Giving a Voice to Speak for Non-Verbal Children実ページのEcosystem見出しと六形式を一まとまりで撮影しWebPへ変換。図中文字の変更・再構成なし。製品のOpen Design方針で案内されたCC条件を示しており、ページ全体・第三者のストア表示への包括許諾ではありません。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)

大学のページはAndroid版の操作を、Basicのサイトは紙を含む提供形式を説明しています。紹介時期や製品の版は同一とは限らないため、この記事では二つの案内を分けて扱います。
日本向けApp Storeにも掲載。日本語は言語一覧に記載なし
2026年11月2日の確認では、Jellow AAC Communicatorは日本向けApp Storeにも掲載され、無料のiPhone・iPadアプリとして案内されています。対応言語欄には英語、ヒンディー語、タミル語などが並びますが、日本語は載っていません。ストアの日本語の案内ページがあることと、アプリが日本語に対応していることは別です。
この記事で紹介したのは公式資料上の設計と提供形式です。子どもに合う絵や表現、使える言語は利用場面によって異なるため、実際の利用を考えるときは現行版の公式案内を確認してください。
この記事のまとめ
- 絵と気持ちを組み合わせ、音声で意思を伝える
Jellowは、中央の物・活動の分類と、「欲しい」「要らない」などの表現ボタンを組み合わせます。大学の案内では、食べる絵を選んで希望を読み上げる例が示されています。
- 欲しいことと、断りたいことの両方を伝えられる設計
物の名前を伝えるだけでなく、それを望むかどうかを選べる点に意義があります。紙のカードや冊子という提供形式も、公式サイトで紹介されています。
- 日本の支援資料では、意思の表出と実現を扱う
こども家庭庁の手引きは、子どもが意思や意見を表すことと、それを支援に反映することを扱っています。Jellowのボタン配置は、その考え方と照らして読める一つの海外の設計例です。
日本の参考資料:こども家庭庁:こどもの意思の尊重・最善の利益の手引き - 「欲しい」だけでなく「要らない」を選べるか見る
意思伝達の道具を検討するとき、本人が選べる表現、使える言語、端末を使わない方法を見比べる視点が参考になります。日本向けストアへの掲載と、日本語への対応は分けて確認できます。
日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。
出典
Jellow communicator: A communication aid for children with speech difficulties | IITBombay
原典日:公表日未記載 / 取得:2026-11-02
Jellow Basic Free AAC Communicator - Giving a Voice to Speak for Non-Verbal Children
原典日:公表日未記載 / 取得:2026-11-02
Apple App Store 日本向け:Jellow AAC Communicator
原典日:確認時点のストア表示 / 取得:2026-11-02
画像について
冒頭のイラストは、絵を選んで意思を伝える場面を説明したものです。Jellowの実際の画面や利用者を描いたものではありません。



