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R0120 / イタリア

不安や行動の困難、診断名でどう違う? イタリアで自閉症・ADHDなど197人を比較

四つの同じ高さのファイルと虫眼鏡、鉛筆を描いた概念イラスト。

不安や落ち込みと、外へ表れる行動の困難は、診断名によって同じように違うのでしょうか。イタリアの病院で保護者の回答を比べると、注意欠如・多動症(ADHD)群は総合得点が他の三群より高い一方、感情面では、すべての群の間にはっきりした差があったわけではありませんでした。

一病院の記録から、四つの集団を比べる

対象は、Agostino Gemelli病院で2017〜2024年に評価を受けた6〜18歳の197人です。ASD47人、ADHD50人、限局性学習症50人に、筋疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの50人を加えて比較しました。

保護者が答えたのは、過去6か月の様子を尋ねる「CBCL/6–18」です。不安や引きこもりなど内側に向く困難、攻撃的な行動など外へ表れる困難を、それぞれ点数にします。今回の四つの診断が重なるケースは対象から除きました。

ADHD群は総合得点が高く、感情面では差の出方が違った

ADHD群は、感情面と総合の両方で76%、外へ表れる困難では60%が、質問票の臨床域に当たりました。限局性学習症群は感情面で66%、ASD群は30%でした。得点の分類であり、別の精神疾患の診断率ではありません。

ADHD群の総合得点は他の三群より高く、外へ表れる困難の得点も高い結果でした。一方、感情面では、全ての組み合わせに明確な群間差が出たわけではありません。四群では年齢と男女の割合も異なっていました。得点は年齢・性別に合わせて標準化していますが、著者は、その違いが結果に影響した可能性を残しています。

図1には、感情面、外へ表れる行動、総合の三つのグラフが並びます。棒は各群の平均、縦の線は標準偏差で、得点のばらつきを示します。例えば感情面の平均はADHD群67.0、限局性学習症群66.3、ASD群60.9、筋ジストロフィー群55.7でした。平均とばらつきを併せて見ると、群内にも得点の違いがあることが分かります。

図1。感情面、外へ表れる困難、総合的な困難を別々に示しています。棒は平均、縦線は標準偏差です。ADHD群は三領域の平均が高い一方、各群の中にも得点の幅があります。
図1。感情面、外へ表れる困難、総合的な困難を別々に示しています。棒は平均、縦線は標準偏差です。ADHD群は三領域の平均が高い一方、各群の中にも得点の幅があります。
出典:©2026 Daniela Pia Rosaria Chieffo et al. / Children / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Figure 1 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
図1。感情面、外へ表れる困難、総合的な困難を別々に示しています。棒は平均、縦線は標準偏差です。ADHD群は三領域の平均が高い一方、各群の中にも得点の幅があります。
図表の出典と表示範囲

Emotional and Behavioral Profiles in Neurodevelopmental and Neuromuscular Disorders: A Comparative Study Using the Child Behavior Checklist
Daniela Pia Rosaria Chieffo et al.
Published version deposited in PMC; PMC13511199.1 / PDF 9頁
Figure 1
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

表4は、二群ずつ比べた結果です。感情面のADHD群と限局性学習症群はp値0.916で、有意な差はありませんでした。一方、総合得点では、ADHD群と他の三群の比較はすべて有意でした。どの得点を見るかで、群の違いの現れ方が変わっています。

表4。感情面ではADHDと限局性学習症の比較はp=0.916で有意差がありませんでした。総合得点ではADHD群と他の三群の差が有意でした。平均の高さと、個別比較で確認できた違いを分ける表です。
表4。感情面ではADHDと限局性学習症の比較はp=0.916で有意差がありませんでした。総合得点ではADHD群と他の三群の差が有意でした。平均の高さと、個別比較で確認できた違いを分ける表です。
出典:©2026 Daniela Pia Rosaria Chieffo et al. / Children / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 4 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
表4。感情面ではADHDと限局性学習症の比較はp=0.916で有意差がありませんでした。総合得点ではADHD群と他の三群の差が有意でした。平均の高さと、個別比較で確認できた違いを分ける表です。
図表の出典と表示範囲

Emotional and Behavioral Profiles in Neurodevelopmental and Neuromuscular Disorders: A Comparative Study Using the Child Behavior Checklist
Daniela Pia Rosaria Chieffo et al.
Published version deposited in PMC; PMC13511199.1 / PDF 8頁
Table 4
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

筋疾患の子どもにも、感情面で高い困難の得点

デュシェンヌ型筋ジストロフィー群の平均得点は全体に低めでしたが、感情面では26%が臨床域に当たりました。身体の病気を持つ集団にも、感情面の支えを考える情報が含まれています。

この研究は、一病院に残る記録を比べたものです。治療や支援を変えて効果を測った試験ではありません。また、集団ごとの平均には、子ども一人ひとりの違いが含まれています。診断名に加え、感情と行動をそれぞれ見るための比較です。

この記事のまとめ

  • 四つの診断群の感情・行動を同じ親の質問票で比べた

    ローマの病院で評価した197人の記録を使い、感情面、外へ表れる行動、総合得点を分けました。筋疾患の集団も比較に含めています。

  • 診断名をまたぐ共通点と、領域ごとの違いを示した

    診断名ごとの平均に加えて、感情と外へ表れる行動を分けました。すべての診断群が、どの側面でも同じ順に並ぶわけではありませんでした。

  • 日本の診断過程も、生活情報と行動観察を組み合わせる

    発達障害ナビポータルは、家庭や園・学校の情報と必要な検査を合わせる包括的な評価を説明しています。イタリア一病院の親回答だけによる群比較とは、対象も目的も異なります。

    日本の参考資料:発達障害ナビポータル:医療受診の意義と診断までの流れ
  • 診断名に加え、感情や行動のどこに支えが必要かを見る

    国内の評価過程と照らしても、総合得点に加え、感情面と外へ表れる行動を分けて捉えられます。同じ診断名の集団にもある得点の幅を、子ども一人ひとりの様子と分けて読むための比較です。

    日本の参考資料:発達障害ナビポータル:医療受診の意義と診断までの流れ

日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。

出典

Emotional and Behavioral Profiles in Neurodevelopmental and Neuromuscular Disorders: A Comparative Study Using the Child Behavior Checklist(NLM公開の原著PDF)
原典日:2026-07-27 / 取得:2026-11-04

画像について

冒頭のイラストは、異なる診断群の記録を同じ視点で比べる記事のイメージです。実際の検査用紙や診療場面を再現したものではなく、図柄を各診断の特徴に対応させたものでもありません。