ADHDについて「分からない」と誤答を分けて調べる――ガーナの小学校教員170人の調査

教員がADHDについて知らないことと、誤って覚えていることでは、学ぶときの出発点が異なります。ガーナの研究チームは、小学校教員170人の回答を正答・誤答・「分からない」に分け、知識の内訳を調べました。
11校の教員が、質問票に自分で回答
研究はガーナのグレーターアクラ地域で、2023年2〜7月に行われました。アクラとテマにある公立・私立の小学校11校から教員170人が参加し、ADHDに関する知識尺度KADDSなどへ自分で回答しました。
表1では、ADHD研修を受けた教員は97人(57.1%)、ADHDのある児童を教えた経験がある教員は115人(67.6%)でした。研修を受けたか、指導経験があるかを別々に尋ねており、未経験の教員だけを集めた調査ではありません。

出典:© 2025 Diaba et al., PLOS Mental Health 2(9):e0000376 / Table 1 下部(ADHD研修・指導経験の欄) / CC BY 4.0
公式PDFの連続した範囲を180dpiで画像化。表1は研修・指導経験の下部のみを部分抽出。表3は見出し・全行・DOIを含む。再組版・数字変更・継ぎ合わせなし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)

図表の出典と表示範囲
Investigating primary school educators’ insights into attention deficit hyperactivity disorder: A cross sectional study in the Greater Accra Region, Ghana
Stephanie Eyram Diaba, Yaw Akye Essuman, Gurinder Singh, Delali Fiagbe
PLOS Mental Health 2(9):e0000376 (2025-09-03) / PDF 7頁
Table 1 下部(ADHD研修・指導経験の欄)
PDF取得:2026-11-02 / 画像化:2026-11-02(原PDFを180 dpiで画像化)
「分からない」41.7%、誤答23.4%という回答の内訳
原論文の表3では、質問への回答の内訳は正答34.9%、誤答23.4%、「分からない」41.7%と報告されています。これは質問への回答を集計した割合で、教員を三つの人数群に分けた値ではありません。
分野別に見ると、症状・診断の正答は40.92%でした。一方、治療に関する問いでは「分からない」が47.90%を占め、一般的な知識に関する問いの39.92%より高くなっています。研修内容を考える際には、誤って覚えている内容と、判断できずにいる内容を分けて見られる集計です。

出典:© 2025 Diaba et al., PLOS Mental Health 2(9):e0000376 / Table 3(全表) / CC BY 4.0
公式PDFの連続した範囲を180dpiで画像化。表1は研修・指導経験の下部のみを部分抽出。表3は見出し・全行・DOIを含む。再組版・数字変更・継ぎ合わせなし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)

図表の出典と表示範囲
Investigating primary school educators’ insights into attention deficit hyperactivity disorder: A cross sectional study in the Greater Accra Region, Ghana
Stephanie Eyram Diaba, Yaw Akye Essuman, Gurinder Singh, Delali Fiagbe
PLOS Mental Health 2(9):e0000376 (2025-09-03) / PDF 9頁
Table 3(全表)
PDF取得:2026-11-02 / 画像化:2026-11-02(原PDFを180 dpiで画像化)
知識の得点と、研修の効果を区別する
著者らは、過去の研修経験やADHDのある児童を教えた経験と、知識の区分との関連を報告しています。ただし、この研究は一時点の横断調査です。研修前後の変化を測った試験ではなく、研修によって知識が増えたという因果関係は確かめていません。
論文本文には平均得点に対応する34.31%という別の数値も載っています。この記事では、正答・誤答・「分からない」を比較できる表3の集計を紹介しています。ガーナ全体や日本の教員の知識水準を示す調査ではありません。
この記事のまとめ
- 知識の回答を、正答・誤答・「分からない」に分けた
ガーナの小学校11校の教員170人に質問しました。表3では、正答34.9%、誤答23.4%、「分からない」41.7%という回答の内訳が報告されています。
- 誤って覚えている内容と、知らない内容を分けて学べる
同じ不正解でも、判断できなかった場合と、誤った答えを選んだ場合を区別できます。研修内容を考える資料になりますが、研修による改善を試した研究ではありません。
- 日本には、講義と理解度チェックを使える研修の仕組みがある
NISE学びラボは、特別支援教育の講義、理解度チェック、研修企画の資料を提供しています。ガーナの回答割合を日本の教員へ当てはめず、理解を確かめる方法を比べる手がかりにできます。
日本の参考資料:国立特別支援教育総合研究所:NISE学びラボ - 研修前に、どこで判断に迷うかを把握する
知識得点の合計だけでなく、誤答と「分からない」を分けて見る観点が参考になります。研修歴や指導経験があるかどうかと、研修で知識が増えたかどうかは、別々に確かめる内容です。
日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。
出典
Investigating primary school educators’ insights into attention deficit hyperactivity disorder: A cross sectional study in the Greater Accra Region, Ghana
原典日:2025-09-03 / 取得:2026-11-02
画像について
冒頭の線画は、教員が記録や研修内容を読み比べる場面を表した説明イラストです。実際の研究参加者や学校を描いたものではありません。



