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R0394 / 南アフリカ

ADHDを知っていても、授業で対応できる自信は別? 南アフリカの教員100人に聞く

教室の机に、知識と気持ちを別に考える二冊のノートを置いた説明イラスト。

注意欠如・多動症(ADHD)についての知識が多い教員ほど、授業での対応にも前向きなのでしょうか。南アフリカの教員100人の調査では、知識と対応への気持ちを測る得点の間に、はっきりした関連は見られませんでした。回答には、子どもと関わるやりがいと、授業を進める難しさの両方が表れています。

公立校63人、私立校37人が回答

研究チームは、南アフリカ・ハウテン州ツワネの北・西・南地区にある小学校と中等学校で、オンライン質問票を配布しました。回答した教員は100人で、公立校63人、私立校37人です。同じ時点で、ADHDについて知っている内容と、教える際の自信や気持ちを尋ねました。

質問票では、ADHDについての知識を20項目、教員の受け止め方を30項目で尋ねました。知識には症状だけでなく、原因、評価、対応に関する設問が含まれます。

知識の正答率の中央値は、私立校75%、公立校65%

論文は、知識の設問全体の正答率を70%と報告しています。私立校の教員の正答率の中央値は75%、公立校は65%でした。二群の分布には統計的に有意な差がありましたが、学校種が知識の差を生んだと確かめた調査ではありません。

図1の青は私立校、赤は公立校です。横軸は学校種、縦軸は知識の得点で、箱の中の線が中央値を示します。私立校の中央値は上にありますが、得点の範囲は両群で重なっています。学校種ごとの差と、それぞれの集団の中にある違いを併せて読める図です。

図1。青が私立校37人、赤が公立校63人の知識得点です。中央値は75%と65%で、得点の範囲には重なりがあります。学校種だけで個人の知識を決める図ではありません。
図1。青が私立校37人、赤が公立校63人の知識得点です。中央値は75%と65%で、得点の範囲には重なりがあります。学校種だけで個人の知識を決める図ではありません。
出典:©2026 Mello, Naicker, van der Westhuizen / Journal of the Colleges of Medicine of South Africa / Figure 1 / CC BY 4.0
原PDFの独立した図とcaption全体を連続範囲で画像化。原図の数値・凡例・文字・配置を変えず、描き直し・翻訳・継ぎ合わせなし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
図1。青が私立校37人、赤が公立校63人の知識得点です。中央値は75%と65%で、得点の範囲には重なりがあります。学校種だけで個人の知識を決める図ではありません。
図表の出典と表示範囲

Educators’ knowledge of and attitudes towards attention deficit hyperactivity disorder
Lesiba L.C. Mello, Dennilee Naicker, Deborah van der Westhuizen
Version of Record / 18 March 2026 / PDF 4頁
Figure 1
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

やりがいを感じても、対応には難しさがあった

教員の回答には、ADHDのある子どもと関わるやりがいと、授業中の対応の難しさが同時に表れていました。子どもの行動を故意とは考えていない一方で、教室で配慮することにはストレスや難しさを感じる、という受け止め方です。

知識と態度の得点の相関は−0.06で、統計的に有意な関連はありませんでした。知識問題を解けることと、自分の技能や教室の状況をどう感じるかは、別々に尋ねています。知識を増やす研修の効果を試した結果とは区別されます。

態度の質問には、学びたい気持ちや自信も含まれる

研究チームは、態度に関する回答を四つに整理しました。知識・技能を学びたい気持ち、教員自身の自信や研修、子どもへの影響と支援の捉え方、行動に対する否定的な感情です。子どもへの見方と、教える側が感じる自信や負担を、異なる側面として捉えています。

図2は、回答のまとまりを検討する「スクリープロット」です。横軸は因子の番号、縦軸は回答のばらつきをどれだけ説明するかの目安となる固有値。赤い破線の1を上回る点が四つあり、著者らは四因子の構成を支持する材料としました。四つの側面へ整理した根拠を示す図です。

図2。態度に関する回答の因子を検討した図です。固有値1の赤い破線を上回る点が四つあり、著者らは四因子の構成を支持する材料としました。
図2。態度に関する回答の因子を検討した図です。固有値1の赤い破線を上回る点が四つあり、著者らは四因子の構成を支持する材料としました。
出典:©2026 Mello, Naicker, van der Westhuizen / Journal of the Colleges of Medicine of South Africa / Figure 2 / CC BY 4.0
原PDFの独立した図とcaption全体を連続範囲で画像化。原図の数値・凡例・文字・配置を変えず、描き直し・翻訳・継ぎ合わせなし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
図2。態度に関する回答の因子を検討した図です。固有値1の赤い破線を上回る点が四つあり、著者らは四因子の構成を支持する材料としました。
図表の出典と表示範囲

Educators’ knowledge of and attitudes towards attention deficit hyperactivity disorder
Lesiba L.C. Mello, Dennilee Naicker, Deborah van der Westhuizen
Version of Record / 18 March 2026 / PDF 6頁
Figure 2
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

使った質問票は、南アフリカでの測定の確かさがまだ確立されていません。調査も全国から無作為に選んだ教員の回答ではなく、実際の授業や学習成果は測っていません。その範囲で、知識を尋ねることと、現場での自信や負担を聞くことの違いを示しています。

この記事のまとめ

  • 教員100人に、知識と教室での受け止め方を別に尋ねた

    南アフリカ・ツワネの公立校63人、私立校37人が質問票に回答しました。知識得点と態度得点には有意な関連が見られませんでした。

  • 知識だけでは捉えきれない、教員の自信と負担を示した

    知識の点数と、教室での対応をどう感じるかには、有意な関連がありませんでした。知識を伝えることに加え、自信や負担を聞く意味を示しています。

  • 日本の教育資料は、困難の把握と具体的な支援の共有を扱う

    文部科学省の教育支援の手引は、ADHD児の学習や生活での困難を捉え、保護者や関係者と支援を共有する視点を示しています。南アフリカの教員の回答と照らすと、知識の説明と、教室でどう関わるかを学ぶことの両方が見えてきます。

    日本の参考資料:文部科学省:教育支援の手引・注意欠陥多動性障害
  • 何を知っているかに加え、どの場面で支えが要るかを聞く

    知識の説明と、教室で困っている場面、教員が学びたい技能を分けて確認する視点が参考になります。

    日本の参考資料:文部科学省:教育支援の手引・注意欠陥多動性障害

日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。

出典

Educators’ knowledge of and attitudes towards attention deficit hyperactivity disorder
原典日:2026-03-18 / 取得:2026-11-04

画像について

冒頭のイラストは、教員の学びと支援への気持ちを別に捉えるためのイメージです。調査を行った学校や参加者を再現したものではありません。