発達障害児に勧められた療育と払える費用の差を調べる——韓国の家族・専門職の調査

子どもに勧められた支援を、家庭はどこまで利用できるのでしょうか。韓国の調査では、6歳未満の発達障害児の家族と、医師・療育専門職に、利用する支援と費用の負担について聞きました。
家族105人と、医師・療育専門職にも聞く
2023年8〜10月に、韓国の研究チームは、6歳未満の発達障害児のケア提供者105人、医師52人、療育の専門職51人へオンライン調査を行いました。支援の利用、費用の負担、専門職の推奨と実際の利用の違いを尋ねています。
72.4%が高い費用負担を回答
Kim氏らが『Journal of Korean Medical Science』で報告した調査では、養育者105人の72.4%が高い費用負担を回答しました。この105人のうち、調査時点で療育を利用していたのは86人です。86人の利用分野を複数回答で集めると、言語や感覚に関する支援が多く挙がりました。家族が一種類の支援だけを選んでいるとは限らず、図の割合を足しても100%にはなりません。専門職からは、勧める支援と、費用面で利用できる支援との差も報告されています。

引用元画面:Journal of Korean Medical Science / PMC掲載原典(2026-10-11取得)/Hayeon Kim, Dong-Gyun Han, Hee-Sun Kim, Seongwoo Seo, Yoonjae Lee, Haemi Choi, Jeongeun Lee, Jae-Gu Kang, Tae-Hyeong Kim, Eunseol Ko and Min-Hyeon Park(2026), Figure 1. © 2026 The Korean Academy of Medical Sciences./原典の条件:CC BY-NC 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Economic Burden of Developmental Disorder Treatment in Korea and Various Overseas Policies: A Study on the Reinforcement for National Assistance.実ページの該当図表と原キャプションを周囲8px込みで撮影。DOM再構成・図中文字の変更なし。表示用にWebP変換。
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一回の費用に、回数と補助の利用を重ねて見る
研究チームは、利用分野ごとに、1回の時間と週の回数、1回の費用、費用を補助するバウチャーの適用状況も示しました。たとえば、言語支援は平均40.5分・週2.1回、応用行動分析(ABA)は74.5分・週2.5回でした。多くの分野で1回の費用は平均4万5,000〜6万5,000韓国ウォンでしたが、ABAは平均約14万ウォンでした。一回の金額だけでは、利用する頻度まで含めた負担は見えません。
バウチャーの適用割合も、言語支援の44.7%に対し、ABAは2.4%でした。こうした割合は、各支援を利用した人の回答で、受給資格や公費の負担割合を表すものではありません。分野ごとの人数は、言語支援76人、ABA41人、社会的スキルの訓練3人などと異なります。費用・回数・補助を同じ図で比べられる一方、少人数の分野もあり、一律の料金表ではありません。

引用元画面:Journal of Korean Medical Science / PMC掲載原典(2026-10-15取得)/Hayeon Kim, Dong-Gyun Han, Hee-Sun Kim, Seongwoo Seo, Yoonjae Lee, Haemi Choi, Jeongeun Lee, Jae-Gu Kang, Tae-Hyeong Kim, Eunseol Ko and Min-Hyeon Park(2026), Figure 3 A–C. © 2026 The Korean Academy of Medical Sciences./原典の条件:CC BY-NC 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Economic Burden of Developmental Disorder Treatment in Korea and Various Overseas Policies: A Study on the Reinforcement for National Assistance.公式の図3専用ページを800px幅の正常表示で実画面撮影。左右8pxのブラウザ識別枠だけを撮影範囲から除外。原題・三パネル・全カテゴリー・単位・人数を保持。DOM再構成・数値変更・画像修復なし。表示時のみ縮小。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)

研究で示された利用頻度は、家庭がどの支援を使っていたかという情報です。多く利用された方法が、他の方法より効果が高かったという比較ではありません。専門職の推奨と、家庭が費用を払って受けられる支援を分けて見た調査です。
調査対象には支援機関を利用する家族が多く、比較的所得の高い家庭へ偏っています。72.4%は、この調査の回答者の負担感です。韓国全家庭の割合や、日本の制度・料金を表す数字ではありません。
この記事のまとめ
- 勧められた療育と、費用面で利用できる療育を照らし合わせた
韓国の養育者・医師・療育専門職への調査では、推奨される支援と実際に利用可能な支援との隔たりや、家庭の負担感が報告されました。
- 支援の推奨に、利用可能性という視点を加える
家族が払える条件と専門職の提案を、別々の立場から調べた点が意義です。高い頻度を勧めることが、そのまま利用につながるとは限りません。
- 日本の状況と比べると
日本の公費対象の障害児通所支援には所得に応じた利用者負担上限があります。韓国の調査の私費・バウチャー等を含む費用と、対象範囲をそろえず比べることはできません。
日本の参考資料:こども家庭庁:利用者負担の仕組み - 日本で参考にするなら
支援内容と回数を提案する場面で、給付対象、対象外の支出、通える条件も併せて確かめる見方が参考になります。
日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。
出典
Economic Burden of Developmental Disorder Treatment in Korea and Various Overseas Policies: A Study on the Reinforcement for National Assistance.
原典日:2026-02-25(オンライン公表。巻号日2026-03-30) / 取得:2026-10-10
画像について
冒頭のイラストは、支援の内容と費用を検討する場面のイメージです(Jag Project / AI生成)。実際の回答者ではなく、資料や金額記号も調査票・韓国の実料金を再現したものではありません。



