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R0170 / カナダ

DCD児の支援が受診待ちで止まる理由を調べる——カナダの488家族の学校・医療調査

机と椅子、机上の白紙ノートと鉛筆を全体が見えるように描いた線画。

受診を待っている間にも、子どもの学校生活は続きます。カナダの調査では、発達性協調運動症(DCD)のある子どもの親が、学校や医療の支援を受けるまでの経験を答えました。待機だけでなく、受けられる回数や学校の配慮にも違いがありました。

DCDは、日常の動作に関わる協調運動に持続する困難がある状態を指します。今回の調査には、DCDが確認された子どもと、DCDが疑われる子どもの両方が含まれています。

カナダの488人の親が答えた利用経験

カナダの研究チームは、DCDが疑われる、または確認された5〜18歳の子どもの親488人をオンラインで調べました。調査期間は2021年11月〜2022年6月です。

Klein氏らの研究では、親から、長い待機、限られた受診回数、サービスの利用条件から外れることが報告されました。

学校での支援については、担任が子どもの動作の困難を把握しているか、親や療法士と相談しているかを尋ねています。図1では、担任が困難を認識しているという回答が多い一方、担任と療法士の相談があるという回答は半数に届いていません。困難を知っていることと、支援に向けた相談が行われることを、別の接点として調べています。

教員の認識、親と教員・体育教員との相談、教員と療法士の相談、支援職の関与について、親が回答したYesとNoの割合。
担任が子どもの運動の困難を把握している回答は約8割でした。一方、体育の担当者と保護者等が支援を相談した回答は約2割で、把握されていることと、関係者が相談できていることに差が見えます。棒の高さから読める概数です。
引用元画面:Child: Care, Health and Development / PMC(2026-10-11取得)/Erin S. Klein, Nicole Pereira, Arman Gill, Jill G. Zwicker (2026); © 2026 The Author(s). Child: Care, Health and Development published by John Wiley & Sons Ltd. FIGURE 1/原典の条件:CC BY-NC-ND 4.0本文の説明・検討のために引用。保存済み原典ページの実撮影をWebP化。全図・原caption(5問)を保持。内容の修正/翻訳・DOM再構成なし。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
教員の認識、親と教員・体育教員との相談、教員と療法士の相談、支援職の関与について、親が回答したYesとNoの割合。

さらに、個別教育計画(IEP)の有無、授業や課題の調整、課題に取り組む時間の延長、体育での支援も別々に質問しています。図2では、いずれも「ある」という回答が「ない」を上回りました。教員の認識や相談相手の有無だけでなく、授業の進め方がどう調整されているかも確かめた調査です。

個別教育計画、教室での支援、課題時間の延長、体育の支援の4項目について、親のYesとNoの回答割合を示した棒グラフ。
授業・課題の調整は約4分の3、課題に取り組む時間の延長や体育の支援は約7割が「あり」と答えています。支援の種類ごとの利用状況で、調整による成績や運動の改善率ではありません。棒の高さから読める概数です。
引用元画面:Child: Care, Health and Development / PMC(2026-10-11取得)/Erin S. Klein, Nicole Pereira, Arman Gill, Jill G. Zwicker (2026); © 2026 The Author(s). Child: Care, Health and Development published by John Wiley & Sons Ltd. FIGURE 2/原典の条件:CC BY-NC-ND 4.0本文の説明・検討のために引用。保存済み原典ページの実撮影をWebP化。全図・原caption(4問)を保持。内容の修正/翻訳・DOM再構成なし。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
個別教育計画、教室での支援、課題時間の延長、体育の支援の4項目について、親のYesとNoの回答割合を示した棒グラフ。

研究チームが提案した、段階に応じた支援

研究チームは、困難の程度に応じて支援を組み合わせる、段階的な支援モデルを提案しています。親が報告した学校と医療の利用経験を、サービスの届け方を考える材料にしたものです。モデルを実際に導入して費用や学校参加の変化を比較した結果ではなく、調査から示された提案です。

調査は2021年11月〜2022年6月にオンラインで回答した家族を対象とし、全国から無作為に選んだ標本ではありません。地域や家族の条件による偏りを含む、488人の利用経験として読む結果です。

この記事のまとめ

  • DCDのある子どもの家族に、学校と医療の利用経験を聞いた

    カナダの488家族の調査では、受診待機、回数の制限、学校での配慮の違いなどが報告され、困難の程度に応じて支援を組み合わせるモデルが提案されました。

  • 診断に届くまでと、日々の生活をつなげて考える

    待機だけでなく、受けられる支援の範囲や学校との相談も課題として捉えた点に意義があります。提案モデルの導入効果を検証した結果ではありません。

  • 日本の状況と比べると

    日本の公的ポータルも、教育と医療の役割の違いを踏まえ、目標や支援方針を共有する考え方を示します。カナダと日本の待機期間を比較した資料ではありません。

    日本の参考資料:発達障害ナビポータル:医療との連携
  • 日本で参考にするなら

    診断名や予約状況だけでなく、着替え・書字・運動など、学校生活で困る具体的な場面を関係者が共有する視点が参考になります。

日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。

出典

Strengthening School-Based Support Systems for Children and Youth With Developmental Coordination Disorder: A National Survey of Canadian Parents.
原典日:2026-08-31 / 取得:2026-10-10

画像について

学校で学ぶ環境をイメージした説明イラストです。調査に参加した子どもや学校、研究で用いた用具を再現したものではありません。