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R0359 / アルゼンチン

食事や会話だけでなく、周囲の態度まで記録。アルゼンチンの自閉症児の生活評価ツール

家庭、教室、遊びの三つの場を描いたファイルと、環境に目を向ける虫眼鏡のイラスト。

子どもが何をできるかに加えて、周りの人や仕組みが、どんな助けや妨げになっているかも記録する。アルゼンチンの小児病院は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの暮らしを32項目で見る「TEA-CIFunciona」を作りました。家族が診療で話した関心事も、項目選びに取り入れています。

家族の関心と国際分類を照らし、32項目に絞る

研究の場は、ブエノスアイレスのガラハン小児病院です。医師、言語分野の専門職、特別支援教育の専門職が、家族と意見を交わしながらツールを作りました。土台にしたのは、生活機能と障害を整理する国際分類「ICF」です。

研究チームは、ASDに関するICFの項目と、過去の診療で家族が話した関心事を照らし合わせました。完成した版は、心身の働き10項目、活動と参加15項目、環境7項目の計32項目です。就学前教育の項目は、家族が診療でよく挙げた内容を受けて加えられました。

図1は、項目を選び、評価の方法を探し、20人で試し、100人の生活像を整理する四段階を示しています。最初の項目選びでは家族の関心と専門職の見方を照らし、試行後に二つの環境項目を追加しました。完成版の項目数だけでなく、家族の経験をどこで取り入れたかが見える図です。

図1。項目の選択、評価方法の検討、20人での試行、100人の生活像の整理という四段階を示します。試行で二つの環境項目を加え、最終版は32項目になりました。
図1。項目の選択、評価方法の検討、20人での試行、100人の生活像の整理という四段階を示します。試行で二つの環境項目を加え、最終版は32項目になりました。
出典:©2021 Silvana B. Napoli et al. / International Journal of Environmental Research and Public Health / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Figure 1 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
図1。項目の選択、評価方法の検討、20人での試行、100人の生活像の整理という四段階を示します。試行で二つの環境項目を加え、最終版は32項目になりました。
図表の出典と表示範囲

Developing a Culturally Sensitive ICF-Based Tool to Describe Functioning of Children with Autism Spectrum Disorder: TEA-CIFunciona Version 1.0 Pilot Study
Silvana B. Napoli et al.
Published version deposited in PMC; PMC8038152.1 / PDF 5頁
Figure 1
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

できることと、周囲の助け・妨げを別々に記録

項目には、言葉を理解すること、食事、排せつ、友人との関係、余暇などが含まれます。環境の欄は、コミュニケーションに使う機器、身近な家族、医療職、権限を持つ人の態度、法的な政策、団体や組織の支援、保健医療のサービスの七項目です。人による支援と、人の態度を別の項目として扱っています。

活動の欄では、日々の動作がどれくらい難しいかを記録します。一方、環境の欄では、周囲の支えと妨げの両方を評価します。子ども自身の能力だけでなく、その力を使う場がどうなっているかを見られる仕組みです。評価には既存の検査、家族への質問、保護者の評価などを組み合わせました。

20人で試し、項目を調整して100人の生活を評価

最初に20人で、内容が相談を捉えているか、評価者の判断が一致するか、診療で使えるかを確かめました。その結果を受け、権限を持つ人の態度と、団体・組織の支援に関する項目を追加しました。評価者の一致が低かった二つの項目では、保護者の評価を優先しています。

調整を終えた版で、子ども100人の暮らしの様子を整理しました。研究が報告したのは、項目を作る過程と、その病院で使った経験です。導入によって暮らしが改善したかどうかは、比較群を置いて調べていません。

図3が提案するのは、ASDの診断の確認、多職種と家族の協働による評価、生活機能のプロフィールづくり、共同の支援計画という四段階です。子どもの得意なことと必要な支え、周囲の妨げや助けをプロフィールへまとめ、その内容を計画へつなげます。

図3。診断の確認、多職種と家族による評価、生活機能のプロフィール、共同の支援計画という四段階です。開発過程の図1とは異なり、完成したツールをどう使うかを示します。
図3。診断の確認、多職種と家族による評価、生活機能のプロフィール、共同の支援計画という四段階です。開発過程の図1とは異なり、完成したツールをどう使うかを示します。
出典:©2021 Silvana B. Napoli et al. / International Journal of Environmental Research and Public Health / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Figure 3 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
図3。診断の確認、多職種と家族による評価、生活機能のプロフィール、共同の支援計画という四段階です。開発過程の図1とは異なり、完成したツールをどう使うかを示します。
図表の出典と表示範囲

Developing a Culturally Sensitive ICF-Based Tool to Describe Functioning of Children with Autism Spectrum Disorder: TEA-CIFunciona Version 1.0 Pilot Study
Silvana B. Napoli et al.
Published version deposited in PMC; PMC8038152.1 / PDF 15頁
Figure 3
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

この記事のまとめ

  • ASD児の暮らしと環境を32項目で記録するツールを作った

    アルゼンチンの小児病院がICFを土台に、家族の関心と専門職の評価を組み合わせました。20人で試行し、完成版で100人の生活像を整理しました。

  • 子どもの力と、周囲の妨げ・助けを一緒に見渡す

    子どもの活動と、その活動を助けたり妨げたりする環境を一緒に記録します。家族の関心を評価項目に取り入れ、支援計画へつなぐ枠組みです。

  • 日本の指針も、生活場面と環境を踏まえた総合的支援

    児童発達支援ガイドラインは、五領域からの評価と、家庭・地域の暮らしに活かす支援を扱います。TEA-CIFuncionaは別の32項目で捉えていますが、子どもの力と周囲の環境を一緒に見る観点を読み比べられます。

    日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)
  • 評価の結果を、家族と共有する生活のプロフィールへ

    何ができるかと、どんな環境なら参加しやすいかを一緒に記録する視点が参考になります。

    日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)

日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。

出典

Developing a Culturally Sensitive ICF-Based Tool to Describe Functioning of Children with Autism Spectrum Disorder: TEA-CIFunciona Version 1.0 Pilot Study(NLM公開の原著PDF)
原典日:2021-04-02 / 取得:2026-11-04

画像について

冒頭のイラストは、子どもの生活と周囲の環境を一緒に捉える記事のイメージです。ICFの公式図やTEA-CIFuncionaの用紙、実在する施設を再現したものではありません。