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R0080 / ベトナム

自閉症児の食事を、家族への相談と栄養支援で追う。ベトナムで56人に12週間の試行

食事の皿と、食べたものを記録するノート、相談を表す吹き出しを描いたイラスト。

食事の偏りがある自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを、家族への説明、個別相談、食事の記録、補助食品を組み合わせて支える。ベトナムの56人の試行では、支援前後で身長や一部の血液指標が変化しました。一方、はっきりした変化がない指標もあり、12週間の経過が一様ではなかったことが分かります。

栄養の説明、個別相談、補助食品と食事の記録を組み合わせ

研究は2024年7月から2025年5月にかけて、ゲアン省の五つの地域支援施設で行われました。対象はASDと診断された子ども56人で、5歳未満が26人、5歳以上が30人です。全員が12週間の支援と終了時の評価を完了しました。

養育者は栄養について集団で説明を受け、栄養士へ個別に相談しました。子どもには複数の微量栄養素を含む補助食品を使い、家族は食事を記録しています。研究側は、食べる物の種類と食事中の様子、子どもの成長や血液の値を調べました。

身長や一部の血液指標が変化。アルブミンには明確な変化なし

支援の前後を比べると、年齢に応じて評価した身長の指標は、5歳未満と5歳以上の両方で改善しました。5歳以上では、年齢に応じた体格指数の指標にも統計的な変化がありました。一方、5歳未満の身長に対する体重の指標には、有意な変化がありませんでした。

血液検査では、鉄の蓄えを反映するフェリチン、亜鉛、ヘモグロビンの値が上がりましたが、アルブミンには有意な変化がありませんでした。研究者は、食べ物を口の中にためる時間や食事時間など、養育者が回答した食事行動の変化も報告しています。成長、血液検査、家庭での様子を、別々の指標で捉えています。

表2には、年齢群ごとの指標の中央値が載っています。年齢に応じた身長の指標は、5歳未満で−1.02から−0.94へ、5歳以上で−1.00から−0.56へ変わりました。一方、5歳未満の身長に対する体重の指標は、p値が0.77で有意な変化はありません。ここでの数値は身長のセンチメートルではなく、年齢などに応じた基準との距離を表すZスコアです。

表2。5歳未満では年齢に応じた身長の指標の中央値が−1.02から−0.94へ、5歳以上では−1.00から−0.56へ変わりました。5歳未満の身長に対する体重の指標には、有意な変化がありませんでした。
表2。5歳未満では年齢に応じた身長の指標の中央値が−1.02から−0.94へ、5歳以上では−1.00から−0.56へ変わりました。5歳未満の身長に対する体重の指標には、有意な変化がありませんでした。
出典:©2026 Ngoc Dieu Thi Phan et al. / Pediatric Reports / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 2 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
表2。5歳未満では年齢に応じた身長の指標の中央値が−1.02から−0.94へ、5歳以上では−1.00から−0.56へ変わりました。5歳未満の身長に対する体重の指標には、有意な変化がありませんでした。
図表の出典と表示範囲

Multicomponent Nutritional Support for Children with Autism Spectrum Disorder: An Exploratory Pilot Study in Vietnam
Ngoc Dieu Thi Phan et al.
Published version deposited in PMC; PMC13398004.1 / PDF 8頁
Table 2
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

表4の血液指標は平均値です。亜鉛は10.29から11.72µmol/L、フェリチンは31.74から34.79ng/mLへ変わりました。アルブミンは42.76から43.07g/Lで、p値は0.43でした。身体の測定と血液検査では指標も単位も異なり、すべてが同じ方向に有意に変わったわけではありません。

表4。亜鉛の平均値は10.29から11.72µmol/L、フェリチンは31.74から34.79ng/mLへ変わりました。一方、アルブミンには有意な変化がありませんでした。
表4。亜鉛の平均値は10.29から11.72µmol/L、フェリチンは31.74から34.79ng/mLへ変わりました。一方、アルブミンには有意な変化がありませんでした。
出典:©2026 Ngoc Dieu Thi Phan et al. / Pediatric Reports / MDPI。PDF提供:PubMed Central(NLM)。 / Table 4 / CC BY 4.0
NLMが正規配信する正式版PDFの原図表全体・原caption・注記を連続範囲で画像化しWebPへ変換。数値/文字/配列を変えず、翻訳画像・継ぎ合わせ・補修なし。
図表を原寸で読む(横に移動できます)
表4。亜鉛の平均値は10.29から11.72µmol/L、フェリチンは31.74から34.79ng/mLへ変わりました。一方、アルブミンには有意な変化がありませんでした。
図表の出典と表示範囲

Multicomponent Nutritional Support for Children with Autism Spectrum Disorder: An Exploratory Pilot Study in Vietnam
Ngoc Dieu Thi Phan et al.
Published version deposited in PMC; PMC13398004.1 / PDF 11頁
Table 4
PDF取得:2026-11-04 / 画像化:2026-11-04(原PDFを216 dpiで画像化)

比較群を置かず、組み合わせた支援の前後を観察

この試行には、支援を受けなかった比較群がありません。相談、補助食品、通常の成長のうち、どれが変化に関わったかを切り分けることもできません。また、参加した家族は地域の支援施設を利用しており、すべてのASDの子どもを代表する集団ではありません。

この試行では、子どもの測定に加え、家族が食事を記録し、相談する流れを作っています。どの支援が変化に関わったかは切り分けられませんが、身体の成長、血液、食事中の行動を別々に記録したことで、変わった指標と変わらなかった指標が見えています。

この記事のまとめ

  • 食事の相談・家族への説明・栄養補助を12週間組み合わせた

    ベトナムの五施設でASD児56人が参加し、成長、食事行動、血液指標を前後で測りました。全員が終了時の評価を完了しています。

  • 栄養を補助食品だけにせず、相談と経過の測定に結び付けた

    説明、相談、記録、補助食品を組み合わせ、成長と食事の様子を追いました。変化の有無は指標で異なり、支援全体の前後を記録した試行です。

  • 日本の指針は、食事を健康・生活と感覚の両面から支える

    児童発達支援ガイドラインは、食事の生活習慣や口腔内の機能・感覚などに配慮した支援を扱います。海外で組み合わせた栄養補助の試行と、国内の支援指針は性格が異なります。

    日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)
  • 食事の場面と測定の結果を、異なる記録として照らす

    何を食べたか、食事中の様子、身体や血液の指標を分けて見る方法が参考になります。

    日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)

日本の制度・資料の確認:2026年11月4日。

出典

Multicomponent Nutritional Support for Children with Autism Spectrum Disorder: An Exploratory Pilot Study in Vietnam(NLM公開の原著PDF)
原典日:2026-07-13 / 取得:2026-11-04

画像について

冒頭のイラストは、食事の相談と記録を組み合わせるという記事のイメージです。研究で提供した献立や補助食品を示すものではありません。